不動産広告の規約
不動産広告の規約とは
会員事業者の目印は店頭に貼られた
「公正表示ステッカー」
昨今、住まいの選択は、消費者のライフスタイルの多様化が浸透し、多彩化・個別化しています。
また、インターネットの普及によって、住まい情報の入手が今まで以上に容易になり、その手段や情報量は飛躍的に増大しています。
消費者の皆様は、住まいを探す場合、まず予算、ライフプラン、購入目的、家族構成、年齢構成、高齢者介護の要・不要、趣味(ガーデニング・ペットなど)などを明らかにして、いろいろな情報を収集、検討することになります。
情報収集手段として代表的なものには、新聞折込チラシ・ダイレクトメール・住宅情報誌・インターネットなどの広告があげられます。
これらの広告を規制する法律には、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)、宅地建物取引業法があります。
そのひとつである景品表示法は、ぎまん的広告行為や過大な景品類の提供に対して、簡易・迅速な手続きで規制ができるように制定されましたが、多種多様な事業分野の広範な商行為を取締りの対象にしているので、その規定は一般的・抽象的にならざるを得ません。
そこで、景品表示法第31条では、事業者や事業者団体が自主的に景品類または表示に関する事項について、内閣総理大臣(消費者庁長官)及び公正取引委員会の認定を受けて、協定又は規約(公正競争規約)を設定することができることを規定しています。
規約は、法律ではなく、業界ごとに制定された自主規制です。不動産業界では、昭和38年に最初の規約として、不動産の表示規約(不動産の表示に関する公正競争規約)を制定し、また、不動産の景品規約(不動産業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約)を昭和58年に制定し、数度の改正を経て今日に至っています。
不動産広告の規約は、不動産の公正競争規約を運用する不動産公正取引協議会の加盟(構成)団体に所属する会員事業者(インサイダー事業者)に適用されます。会員事業者の目印は店頭に貼られた「公正表示ステッカー」です。
「自主規制」だと強制力がなさそうだから、不動産会社は規約を守らなくても別にいいのでは? という疑問が不動産会社あるいは消費者の方から寄せられることがあります。しかし、規約が等しく守られるように、規約を守らない事業者に対して、注意、警告、あるいは500万円までの違約金を課徴することができる罰則規定を設けています。
また、非会員事業者(アウトサイダー:不動産公正取引協議会の構成団体に所属しない不動産会社)は、消費者庁の運用する景品表示法の対象となります。そして、消費者庁は法律の運用に当たって、不動産の規約を参考にすることとしていますので、非会員事業者にも、間接的ではあるものの、規約の効果が及ぶことになります。